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ATC便り

リミナルスペースとは? バックルームズからATC Osakaへ

こんにちは、ATC経営戦略室のロバートです。先週の記事では、咲洲こどもEXPO 2026をご案内しました。今週は、少し不思議な景色の話をします。

子どもたちの笑顔から、調べはじめました

先日、小学生の皆さんが大阪ベイエリアのATC Osakaを見学に訪れました。館内を歩く子どもたちは、とても楽しそうでした。

その様子を見ながら、ひとつ気になりました。子どもたちの目に、この建物はどう映っているのだろう。調べていくうちに、意外なことが分かってきました。「バックルームズ」や「リミナルスペース」という言葉に、子どもや10代の関心が広がっていることが、うかがえたのです。

少し長くなりますが、バックルームズとは何かから、順に書いていきます。

ATC Osakaの吹き抜けを上から見た写真。赤い壁面、宙に架かる青い鉄骨の連絡通路、黄色いエレベーターが何層にも重なり、床には小さな人影が見える
ATC Osakaの吹き抜け。赤、青、黄色が、何層にも重なっています

バックルームズは、子どもたちにも届いていました

バックルームズは、2019年に匿名の掲示板で生まれた話です。「何かがおかしい」と感じる画像を投稿する流れの中から、終わりのない空っぽの部屋や廊下に迷い込む、という物語が広がりました。のちに、当時16歳だったケイン・パーソンズ氏がYouTubeでシリーズ映像を公開し、2026年5月にはA24が映画化しています(BBC)。日本では9月4日に公開されました。

子どもたちの関心を示す手がかりも、いくつかあります。セキュリティ企業のKasperskyの2026年の分析では、調査対象となった子どものYouTube検索で、映画に関する注目作品として『バックルームズ』が挙げられました。日本でも、映画情報サイトのシネマトゥデイ(2026年9月7日付)が、劇場で小中高の学生の来場が増えていること、親子での来場や中高生のグループ鑑賞が見られることを伝えています。

日本の若い世代には、もうひとつ近い存在があります。地下通路を舞台にしたゲームと映画の『8番出口』です。LINEリサーチが2025年9月に15〜24歳の男女4,745名へ行った調査では、「最近流行っているコト・モノ・ヒト」の自由回答で『8番出口』が27位に入りました(出典:LINEリサーチ)。

ただ、どれくらいの子どもが知っているのかは、これらの調査から分かりません。「大流行」と書けるだけの数字は、見つかりませんでした。分かっているのは、関心が広がっている様子がうかがえる、というところまでです。

リミナルスペースとは、どんな景色のことか

リミナルスペースは、「境目」を意味する言葉から来ています。インターネットでは、廊下やロビー、階段のように、どこかへ向かう途中にある、人のいない場所の景色を指して使われます。見慣れているはずなのに、なぜか落ち着かない。初めて見るのに、懐かしい。そんな感覚を呼ぶ場所のことです。

建築の研究でも、似た現象が調べられています。2022年にAlexander DielとMichael Lewisが発表した論文は、見慣れた建築の特徴から構造的にずれた空間が、不気味さの感覚につながることを示しました。廊下や吹き抜けのような、いつもの場所でも、配置や見え方が少し変わるだけで、不思議に感じられることがあります。

リミナルスペース
人のいない廊下やロビーなど、通過点のような場所が呼び起こす、落ち着かなくて懐かしい感覚。またはその景色。

バックルームズ
2019年に生まれた、終わりのない空っぽの部屋に迷い込む物語。YouTubeシリーズを経て、2026年に映画になりました。

ドリームコア
夢の中のような、懐かしさと少しの不安が混ざる雰囲気。大阪観光局の「COOL OSAKA」は、ATC Osakaの館内をこの言葉で紹介しています。

8番出口
地下通路を舞台にした、日本のゲームと映画。どれも同じ意味の言葉ではありません。

ATC Osakaで見つけた、夢のような景色

大阪観光局の「COOL OSAKA」には、ATCの紹介があります。「『ドリームコア』を感じさせる独特の雰囲気をもつ館内に、注目が集まっています」。大阪湾を望むアトリウムは、フォトスポットや憩いの場としても紹介されています。

以前の記事では、ATCを「近畿で最大のリミナルスペース」と書いたnoteを紹介しました。今年の9月には、別の方が「関西 リミナルスペース」と検索してATCを訪れ、その記録をnoteに投稿しています。「同じ形状が続く感じが凄くリミナルスペースだ」。そして、「初めて訪れたのに昔来たような感覚がある施設でした」。

ここからは、私たちの建物の写真を並べます。ATC Osakaで、そう感じる景色を探してみました。

吹き抜けの底から見上げた写真。黄色いエレベーターの柱が、赤い壁と青い鉄骨の通路とともに上へ細く伸びている
見上げると、同じ形が上の階まで続いています

吹き抜けの底から見上げると、黄色いエレベーターの柱が、赤い壁と青い鉄骨の通路に挟まれて、遠くへ細くなっていきます。同じ形の階が何層も重なって、どこまで上があるのか、分からなくなります。

青い鉄骨に囲まれた、ガラスの手すりのある長い連絡通路。通路は奥の一点に向かって細くなっていく
青い連絡通路。一本道が、遠くの一点に向かっています

青い連絡通路に入ると、足もとから先まで、ほとんど同じ景色が続きます。ガラスの手すり、青い梁、白い床。通路の長さだけが、はっきりと見えてきます。

白と灰色の市松模様の床が奥まで続く広いホール。左に赤い壁、右に丸い太い柱が立ち、天井からは斜めの光が差している
白と灰色の市松模様の床と、赤い壁、丸い柱

白と灰色の市松模様の床は、奥へ行くほど細かくなります。左には赤い壁、右には丸い太い柱。昼間の光が天井の窓から斜めに落ちて、床に長い影をつくります。

怖いものを探すのではなく、「なぜか気になる景色」を探してみませんか。くり返される形、少し古い色、見上げたときの角度。それだけで、いつもの通路が別の場所に見えてきます。

円形の吹き抜けの階段室。まっすぐな階段が上へ伸び、左右の壁に小さな窓が並び、天井には楕円形の天窓がある
円形の階段室。小さな窓と、天窓の光

円形の階段室では、左右の壁に小さな窓が並び、天窓の光が階段の先へ落ちています。学校の階段を思い出す、という人もいるかもしれません。

「浪人時代、息苦しかった時誰もいないとこ静かな広い場所に行きたくて予備校サボって来たことがあります いまでもその時のことは鮮明に覚えてます」

― 30代・男性(アンケートより)

アンケートには、静かで広い場所を求めて来館した人の声もありました。人のいない広い空間に惹かれる気持ちは、いまに始まったものではないのかもしれません。

鉄骨とガラスに囲まれた吹き抜けの角から、大阪湾に停泊するフェリーが見える。手前には木のデッキと階段がある
ガラスの角の向こうに、大阪湾が見えます

ガラス張りの角に出ると、景色は急に開けます。鉄骨の格子の向こうに、大阪湾と、停泊するフェリーが見えます。通路の続きに海がある、というのも、この建物らしい景色です。

夕焼けの大阪湾。手すり越しに、ヤシの木と停泊するフェリー、オレンジ色に染まる空が見える
夕方のデッキから。ヤシの木とフェリーの向こうに、日が沈みます

建物が変わらなくても、知っているゲームや映像が変われば、見える景色も変わります。そんな目で歩くと、普段は通り過ぎていた形や色が、少しだけ気になってくるはずです。この建物は、ゲームの舞台として作られた場所ではありません。それでも、ゲームで見たような感覚に出会えることがあります。

ATCさきしまチャンネルで見る、もうひとつの景色

ATCの公式YouTubeチャンネル「ATCさきしまチャンネル」にも、この景色を映した動画があります。英語で解説した動画が1本と、ショート動画が7本です。

Have You Seen This Building in a Dream? | Dreamcore in Osaka

ATC Osakaのドリームコアを、英語で解説した動画

YouTubeで見る

動画の多くは、リミナルスペースやバックルームズという言葉を入り口に、ATC Osakaの建築を見つめたものです。タイトルには、「Level 0」という言葉も出てきます。

この景色を撮りたい方、見に来たい方へ

館内での撮影についてのご相談も受けています。写真や映像、商品の撮影をお考えの方は、「ビジネスのお問合せ」フォームの種別で「撮影」を選んでご連絡ください。見学や取材など、どの種別か迷うときは「その他」をお選びいただければ、こちらで担当部署におつなぎします。

館内は営業中の施設で、お客様が行き交う場所や、立ち入りをお願いできない場所もあります。撮影できる場所や時間帯は、内容によって異なります。

よくあるご質問

Q. リミナルスペースとは何ですか。
A. 廊下やロビー、階段のように、どこかへ向かう途中にある、人のいない場所の景色を指す言葉です。見慣れているのに落ち着かない、初めてなのに懐かしい、といった感覚を呼ぶ場所のことです。

Q. バックルームズとは何ですか。
A. 2019年に匿名の掲示板で生まれた、終わりのない空っぽの部屋や廊下に迷い込む物語です。YouTubeのシリーズ映像を経て、2026年にA24が映画化しました。

Q. ATC Osakaは、バックルームズの舞台ですか。
A. ゲームや映画の舞台として作られた場所ではありません。大阪観光局の「COOL OSAKA」では、ドリームコアを感じさせる独特の雰囲気をもつ館内として紹介されています。ATC Osakaは、展示会やイベントが開かれる、営業中の施設です。

Q. ATC Osakaで撮影をしたいときは、どこに相談すればいいですか。
A. 「ビジネスのお問合せ」フォームで、「撮影」を選んでご連絡ください。どの種別か迷うときは「その他」から、ご相談いただけます。

同じ廊下でも、知っている物語が増えるたびに、見える景色は少しずつ変わります。次にATC Osakaを歩くときは、ほんの少しだけ、上を見てみてください。

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R

ロバート

経営戦略室

ドリームコアやリミナルスペースの景色は、昔から好きでした。自分の働く建物がそう呼ばれるようになるとは、思っていませんでした。

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