こんにちは、ATC経営戦略室のロバートです。先週の記事では、アンケートの「ひとこと」欄に綴られた言葉を集めました。「思っていたより賑やかだった」という声が、何度も出てきたことを覚えている方もいらっしゃるかもしれません。
今日は、少し毛色の違う話をします。ポーランド語に「brama(ブラマ)」という言葉があります。門、あるいは玄関を意味する言葉です。ただの出入り口ではなく、その向こうに何か違う世界が広がっていることを予感させる、そんな響きを持った言葉だと思っています。
この2週間、アンケートに綴られた物語や、一言だけの言葉を紹介してきました。今日はその続きとして、ATCという場所が、そもそも何のために存在しているのか、という話をしたいと思います。
2週間前の記事で、「世界中から人が集まり、感動と驚きが生まれる場所」という言葉をご紹介しました。あれは、経営戦略室でのブレストから生まれた「ありたい姿」だと書きましたが、実はこの言葉、ATCが正式に掲げている企業理念のミッションとビジョンから生まれています。今日は、その中身を少しだけ、皆さまにも共有できればと思います。
ミッション、私たちがここにいる理由
ATCの企業理念には、3つのミッションが掲げられています。そのなかでも、今日は3つめの言葉を、特に紹介したいと思います。「交流の場・カルチャー・感動体験を創出し大阪・関西を元気に」。独自の企業価値を高め、顧客の期待を超える感動体験を提供する、という言葉です。
娘の背中を追いかけていたはずが、いつの間にか追い越されていた、というあの物語。感動体験というのは、こちらが用意するものというより、来てくださった方が、それぞれのタイミングで見つけていくものなのかもしれません。
前々回の記事で紹介した、息子の就職活動で商船三井のオフィスに同行したという方の言葉も、思い出します。数年前は好きなアニメの企画展に遊びに来ていた息子が、今度は働く場所としてこの港を選ぶ。その変化に、思わず胸が熱くなったと書いてくれていました。同じ場所が、何年もかけて、まったく違う種類の感動を運んでくることもあるのだと思います。
ある30代の男性は、「毎年子供と来れることを楽しみに、仕事を頑張ろうという気持ちにさせてくれます」とも書いていました。感動体験は、その場限りのものだけではなく、次に来る日を支えにしてくれることもあるようです。
ビジョン、これから見たい景色
ミッションが「今、私たちがすべきこと」だとすれば、ビジョンは「理想の姿」です。ATCのビジョンにも、2つの言葉がありますが、今日はそのうちのひとつ、個人的にいちばん好きな一文だけを紹介させてください。
大阪から世界へ、大阪ベイエリアの魅力あふれるATC
私たちの商圏や事業展開に壁はなく、ビジネスチャンスは世界に広がっています。世界を視野に事業展開を行います。パートナーとサステナブルな関係性を構築するため、大阪のゲートウェイとしてグローバルな視点を持ち、顧客の幅を広げハード・ソフトの魅力を磨き続けます。
アンケートのなかにも、世界とのつながりを感じさせる言葉がいくつかありました。ある40代の女性は、「世界を旅している外国人さんとお話ししたこと」を、ATCでの大切な記憶のひとつに挙げていました。また別の40代の女性は、中学生の頃にATCが開業した当時を振り返りながら、「海外のお客さまも多く訪れ、楽しかったです」と書いていました。開業した頃から今に至るまで、ATCはずっと、どこかで世界とつながり続けてきた場所なのかもしれません。
去年の大阪・関西万博の時期、ATCには本当にたくさんの方が訪れました。個人的な印象に過ぎませんが、海外からのお客様や、海外と取引のある企業の方を、これまでのどの時期よりも多く見かけたように思います。咲洲という場所自体が、もともと国際的な交流や貿易を見据えて計画された地区だと聞いたことがあります。ATCという名前にも、アジア太平洋、という言葉が入っています。あの慌ただしい日々を経験して、この場所が本当に「大阪のゲートウェイ」になり得るのだと、肌で感じました。
考えてみると、外からの視点でATCの魅力に気づかされたのは、今回が初めてではありません。以前の記事で触れた「ドリームコア」という捉えられ方も、もともとはATCの外にいる方の視点から生まれた言葉でした。世界という大きな話でなくても、自分たちの内側だけでは気づけないことが、この場所にはまだたくさんあるのかもしれません。
わたし個人としては、ATCが、大阪を訪れる方にとって「行ってよかった場所」のひとつとして、いつか自然に名前が挙がるようになってほしいと思っています。この2週間、皆さまの言葉を読んできて、その願いは、決して大げさなものではないと、あらためて感じています。
ウミエール広場に、ゴザが戻ってきました
少しだけ踏み込んでお伝えするつもりで書き始めたのですが、書いているうちに時間のほうが追いついてきました。今週から、ウミエール広場でゴザの無料貸出が、ふたたび始まっています。
秋分の日を過ぎて、大阪の日差しは、夏のそれよりも少しだけ優しくなりました。広場にゴザを一枚敷いて座ると、視界の先には、いつものように「さんふらわあ」が浮かんでいます。海を渡ってきた大きな船と、地べたに座る小さな自分。その対比が、なんだかちょうどいい距離に感じられます。
春に書いた記事で触れた、あの試験的な取り組みが、季節を変えてもう一度戻ってきました。4月から5月末までの試験期間中、広場や海辺の雰囲気には8割以上の方から高い評価をいただき、特典も事前告知もないのに、「また利用したい」「たまたま見つけたけれど来てよかった」という声が、こちらが想像していた以上に届きました。もとをたどれば、ひとりの社員が思いついた、小さなアイデアです。
ゴザは、ただの敷物です。それでも、それを広げるだけで、同じ広場が、少しだけ違う場所になります。今日ここまで書いてきた「交流の場・カルチャー・感動体験を創出し大阪・関西を元気に」というミッションを、いちばん静かなかたちで実現しているのは、もしかするとこのゴザなのかもしれません。涼しくなったこの季節に、ぜひ一枚、広げてみてください。海風と、ゆっくり流れる時間が、待っています。
この秋、お伝えしたいこと
10月24日(土)・25日(日)には、咲洲エリア全体を巻き込む「咲洲こどもEXPO 2026」も控えています。詳しくは、また近いうちにあらためてご紹介します。
直近では、9月19日(土)からシルバーウィークの4日間、ATCホールで「OSAKAアート&てづくりバザール VOL.52」が、同じ期間ITM棟4階で「絵師100人展16 大阪展」が開催されています。海辺のステージでは、9月20日(日)にチャリティーライブ「Sing For The Future」、9月26日(土)には「ATCポップカルチャー学園 #17」も予定されています。
直近のイベント
9月19日(土)〜22日(火・シルバーウィーク):OSAKAアート&てづくりバザール VOL.52(ATCホール)
9月19日(土)〜27日(日):絵師100人展16 大阪展(ITM棟4階)
9月20日(日):Sing For The Future Vol.52(海辺のステージ)
9月26日(土):ATCポップカルチャー学園 #17(海辺のステージ)
10月24日(土)・25日(日):咲洲こどもEXPO 2026(咲洲エリア全体)
門というのは、それ自体が目的地になることは少ないものです。それでも、門をくぐった人にしか見えない景色があります。ATCという場所も、そうであり続けたいと思っています。次回は、また少し軽やかな話に戻る予定です。